ヒンドゥー教と言われてもピンと来る人はどれだけいるだろうか。
ヒンドゥー教とは?特色
インドやネパール地域において多数派を占める民族宗教。
実はヒンドゥーという名前は、ペルシャ語でインダス川対岸に住む人々という意味。
なので、外部の人がヒンドゥーと命名したようです。
シヴァ
シヴァはヒンドゥー教で最も影響力持つ神様を指します。
ヒンドゥー教はシヴァ神以外に多数の神が存在しています。
カースト(ヴァルナ)
一口にヒンドゥー教といっても、その中でさらに階層があります。
カースト最上位はバラモン教で、個人で宗教を選択することはできません。
生まれた家庭の階層で、一生信仰する宗教が決まってしまいます。
バラモン
ヴァルナの最高位。
ヒンドゥー教やバラモン教の司祭階級。
いわゆる既得権益層。
その権威を守るために、バラモンの人たちは、これまでいくつもの規制をつくってきました。
大臣や裁判官などの職業もこの階級。
クシャトリア
ヴァルナ2位。
貴族または武士階級に当たります。
クシャトリアは、権力を持つ者という意味で、政治や軍事的支配をする階級となります。
ちなみに釈迦はこの階層に生まれました。
ヴァイシャ
ヴァイシャまでが上位カースト。
元々は農耕を行う庶民階級でしたが、次第に商人となっていきました。
ヴァイシャが農商業で物を生産し、クシャトリアに納めるものとされています。
ヴァイシャはバラモン教のヴェーダ聖典を学べます。
ちなみにガンジーはこの層に生まれました。
シュードラ
下位カーストで、労働者と呼ばれています。
元々は奴隷とされていて、バラモン教を学ぶことは許されていませんでした。
ヴァイシャの人々が商人となると、シュードラの人たちは農耕を行うようになりました。
ヴァイシャの一部の人が、シュードラに近づく人が現れる一方で、差別されるような仕事に就く者は、階級外へと追い出されてきました。
ダリット
イランなどに住んでいた、アーリア人が入っていくると、カーストに属さない人たちが誕生しました。
そういった人たちは、触れると穢れる人間とされ、触れることも近づくことも、声を聞くことも見ることもいけないとされ、ヴァルナの人たちが使用する井戸や貯水池の使用も禁止されています。
一応、インド憲法で差別用語は禁止されましたが、今でも差別は残っているようです。
注意点
カーストはあくまでも身分を指すもので、貧しいバラモンもいれば裕福なシュードラもいるようです。
今では、社会保障や雇用保険などに関して、どちらかというとアウトカーストの人たちの方が優遇されています。
公務員などの政府関係の職業ではアウトカーストの採用枠があるようです。
実体験
ニューデリーの駅周辺で、場所が分からず警察官に訪ねた。
警察官は私に対しては、終始親切で人当たりが良かったのだが、ホテルを探してもらおうと警察官がリキシャ(人力車)の人に丸投げした際、かなり適当な対応だった。
私からみるといわゆる人間扱いしていない対応だったのだ。
外国人からするとこれには少し驚いてしまうだろう。
生まれが全て
努力云々の前に、インド・ネパールでは生まれた時点で、その人の人生が決まっているといって過言ではないだろう。
階層が下の者は、上の者と話すことも困難なのだ。
ガンジー
ガンジーは、インド独立の父として知られています。
カーストに属さない人たちを5番目のカーストに引き上げようとしましたが、カーストそのものを解体しようとしたわけではありませんでした。
牛・豚/牛乳
牛
ヒンドゥー教で牛は聖なる動物として讃えられており、ヒンドゥー教徒は牛肉を始めとする肉を食べません。
そのためか、インドではそこら辺に牛がいて人々が餌をやっています。
牛乳
牛肉を食べないからと行って、乳製品を食べないかというと、どうやらそれは違うようです。
なぜならインド人はチャイを飲みます。
チャイはお茶とともに牛乳や生姜が入っています。
またインド人は牛乳だけでなくバターなどの乳製品もよく食べます。
どうやら食べるために殺すのと、単に牛乳を拝借するのとでは明確に線引きがされているようです。
豚
豚のヒンドゥー教での位置づけは特に決まっていませんが、多くのヒンドゥー教徒は牛を始めとする動物の肉を食べません。
代わりに乳製品と豆を多く摂取するようです。
ついでにヒンドゥー教徒は魚も食べません。
酒
正統派のヒンドゥー教徒はお酒を飲まないようですが、最近のヒンドゥー教徒は普通にお酒を飲むようです。
これは最近のイスラム教徒に通じるところがありますね。
インドの他の宗教
インド人の大多数は、ヒンドゥー教徒ですが、イスラム教徒も10%ほどいるようです。
とはいえインドの人口は13億人。
そのうちの1割ということは、1億人あまりで、それは日本の人口とほぼ変わらない計算となります。
ヒンドゥー教まとめ
日本はインドほどの差別はない国である。
インドやネパールで最下層民に生まれると、ほぼ一生這い上がれない。
それに比べて日本は、インドほどではない。
日本人として生まれてきたことがどれだけ幸運なことか。
インドに関する記事は
インドの鉄道に乗って豚小屋にぶち込まれた話〜ニューデリー〜バラナシ〜
女性が危険な国ランキング1位のインドは危険ではない〜エジプトが危ない〜
宗教に関する記事は